路線バスで計200km移動:バスで道東縦断旅その2
今回はひたすら路線バスに乗り続けます。
ハッカの街北見


快活北見店は無料トースト提供店ということで、コーヒーとともに優雅な朝食を摂って出発です。まずは北見駅を目指します。ずっと国道なので路線バスもあるっちゃあるのですが、まだ時間があるうえ、徒歩30分程度の距離なので歩いていきます。

北見といえばハッカの生産地として知られており、お土産屋さんにハッカのグッズがたくさんあります。かつてハッカは穀物よりも高値で売れたことから、気候条件があっている北見で栽培され、一時は北見だけでハッカの世界シェアが7割を超えたこともあったとか。今となっては海外製が安くなったことでこの地ではほとんど栽培されなくなったようですが、カーリングとともに北見のシンボル的存在となっています。北見駅までの道中に北見ハッカ記念館があるので行ってみました。ただ朝なのでまだ開館しておらず外から眺めるだけとなりました。






記念館周辺をブラブラしていると、オレンジ色のディーゼル機関車のような物体が遠くに見えました。なんでこんなところに...?と近づいてみると、たくさんの保存車両たちが並んでいました。ここは「オホーツク鉄道車両展示場」というそうで、廃線になったふるさと銀河線の跡地にあるようです。ここにこんなものがあるとは全く知らなかったのでラッキーでした。不定期で開放しており普段は入れませんが、閉まっていても展示場の外から一通り眺めることができました。




北見バスに揺られて




半年ぶりに北見駅に来ました。前回訪問時は雪がどっさり積もっていたのでなんだかスッキリした感じがします。ここからは北見バスに乗ります。目的地は陸別。このルートは2006年に廃止された北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線、国鉄時代は池北線と呼ばれていた路線の代替交通となります。1時間半かけて約50kmの距離を路線バスでひたすら南下します。運行本数は決して多いとは言えず、陸別まで行くバスは朝8時の便を逃すと12時までありません。私含めて3名で北見駅を発車しました。道中何人か乗ってきましたが、いずれも途中で降り、結局陸別まで乗ったのは最初の3人だけでした。置戸町を過ぎると山奥へ進み、ついにスマホの電波が圏外に。この区間は鉄道時代から利用が少なかったようで、バスに代替されるのも頷けます。



オーロラの見える日本一寒い街


陸別町は1月の平均気温が-11℃と非常に寒く、過去には最低気温-33℃を記録したことがあり、日本一寒いまちとして知られています。地点によっては-40℃を下回り、測定不能になったこともあるとか。とはいえ内陸にあるからか、近年の夏は陸別町でも非常に暑く、最高で37℃(5月)を記録しており、今となっては年間の寒暖差が最も大きいまち、なんて言われることも。最近は太陽フレアの影響でオーロラが見える日が何度もあり、オーロラ観測目的でやってくる人も多いようです。



夢の運転体験


陸別駅は駅舎がそのまま道の駅として残されているだけではなく、駅構内の線路、そして気動車まで保存されています。路線バスで陸別町に来た理由はただ一つ、気動車の運転体験をするためです!ふるさと銀河線時代に実際に使用されていた車両に乗って廃線跡を運転することができ、コースに応じて駅構内往復から片道約5kmの距離を往復することができます。鉄道の運転体験ができる場所は全国いろんなところにありますが、ここが最も長い距離を運転できるところだと思います。ただし片道5kmの最長運転コースを受講するにはいろいろ条件がある上に結構なお値段なので、金欠な私はおとなしく駅構内往復のSコースで予約しました。Sコースは2000円で、往復約300mを時間の許す限り運転できます。

運転している様子を動画で撮ったので、あとで旅実況動画としてYouTubeとニコニコ動画に上げようと思います。ここでは運転した感想を書きます。一言でいえば、自動車学校に通い始めた頃を思い出す、こんな感じでした。仮免取得前の場内30km/h走行がめっちゃ速く感じる、あの感覚に近いと思います。今回のSコースは20km/h程度の運転でしたが、車止めギリギリまで走ることもあり結構速いように感じました。
遊園地にあるような遊具系電車を運転したことはありましたが、ホンモノはやっぱり違いましたね、一度は夢見た鉄道運転士の気分を味わえてとても楽しかったです。
貨客混合の路線バス
次はそのまま池田方面へ抜けていきます。陸別町は2時間ちょっとの滞在時間でした。12時ちょうど発の帯広駅前方面へ向かう路線バスに乗ります。鉄道時代、1本の列車で乗りとおすことができたこのルートは、バスに代替後は陸別町を境に北を北見バス、南を十勝バスが担当しています。乗り継ぎ需要を考慮してか、一部の便は陸別でいい感じに乗り継げるようになっています。

十勝バスといえば「はとバス」みたいな全面黄色塗装が印象的です。今回やってきたバスはなんと佐川急便と連携した貨客混合型でした。ニュースで見たことはありましたが、実際に見るのは初めてです。車両後部が仕切りで完全に締め切られていて、乗車可能部分が少なくなっていますが、それでも日野ポンチョくらいの座席数はありました。12時ちょうど発ということで、けたたましい時報サイレンのなか私一人だけ載せて出発です。また一人だけかぁと思っていたら次のバス停で2人乗り込んできました。見た感じ部活帰りの学生のように見えました。ちゃんと地元の方にも利用されていました。
廃線跡とほぼ同じルートで南下していくと、ところどころで駅舎や駅名版のモニュメントが目に入ります。廃線後も公民館や道の駅や公園として活用しているようです。


陸別から約2時間、約80kmの距離を移動して池田駅に着きました。北見からトータルで約140kmもの距離を高速バスではなく路線バスで乗りとおしました。この十勝バスは池田駅で終わりではなく、帯広駅を通って十勝バス本社前まで運行しています。池田から本社前まではさらに1時間半かかり、全線乗りとおすと3時間半ぶっ続けということになります。運転手さんお疲れ様です...。ちなみに帯広まで行きたい場合は池田駅でJRに乗り換えるよりそのまま十勝バスに乗り続けたほうが運賃は安いです。でも今回は池田駅に用があったので下車。次の始発普通列車までの間散策します。
ワインのまち池田

池田駅から歩いて10分くらいのところに西洋風の立派なお城があります。いけだワイン城と呼ばれ、土産物のワインが売られています。池田町はワインの工場があり、池田駅構内でもそれをアピールしています。このワイン城は丘の上にあり、池田駅とその周辺の景色を眺めることができます。








池田駅は駅員がおり、特急おおぞら号が来る時間になるとドリカムの名曲が流れるようになっています。案の定アーティストには疎いのでよく知りませんが、YouTubeで駅メロを聴いて、いいメロディだなと思っていました。このメロディはみどりの窓口が閉まる15時半以降に到着する特急では流れないので注意が必要です。半年前は16時半まで駅員さんいた気がするんですが、さらに営業時間が短縮されたみたいですね...。

2本の特急と貨物列車を見送り、やってきたのはまたもH100形。2両編成で、よく見ると片方はH100-99ということで、編集時点ではラストナンバーの一番新しいH100でした。2026年までにあと4両導入予定だそうで、ずいぶん増えたなぁと感じます。
本日3本目の路線バス

前回は特急おおぞら号で経由しただけの帯広駅で下車。この駅は構造が特殊で、2面4線のホームそれぞれに改札口があり、改札を出ずに反対側のホームに行くことができない珍しいタイプになっています。

ここからは再び十勝バスに乗ります。駅北側に大きなバスターミナルがあり、高速バスも頻繁にやってきます。6番のりばから発車するぬかびら源泉郷行きのバスに乗って、上士幌町まで行きます。所要時間は約1時間40分です。今日の最終目的地はこのぬかびら源泉郷です。


陸別から上士幌へは、陸別を出発して池田・帯広まで行かずに、途中の足寄町から西へ進んだほうが短距離で済みます。しかし残念ながらこの二つの街を結ぶ公共交通機関はなく、タクシーを使うにしても片道30kmはあり、支払い額がとんでもないことに。レンタカーを借りられそうにもないので(まず営業所もない)、このようにかなり遠回りしました。
帯広と音更を結ぶ路線バスでもあるので、乗客はそこそこ乗っていました。帯広市の北側に位置する音更町は、人口が北海道の町のなかでは最も多い5万人近くの自治体です。十勝川を越えて音更町の中心地までは住宅街が続いていましたが、それを抜けると田園風景が広がります。

初めてのユースホステル
士幌町、上士幌町の市街地周辺に近づくと、ある程度住宅が見えますが、上士幌交通ターミナルを過ぎるといよいよ大雪山国立公園へと入っていきます。国立公園に入る手前あたりの、ほとんど建物がないあたりで高校生らしき乗客が降りていきました。数える程度とはいえ定期利用者はいるようです。帯広駅から上士幌交通ターミナルまではそれなりに本数があるのですが、それより先ぬかびら源泉郷へは1日4往復となっています。次回のブログでも触れますが、源泉郷周辺の人口はおよそ70人だそうで、ここまでくると観光客のほうが利用者は多いのかもしれません。
夏とはいえ18時を過ぎると完全に日が落ちて景色が見えなくなりました。何度かトンネルを通過していくと、ついにぬかびら源泉郷に到着です。厳密に言うと、実際に降りたのは十勝バスぬかびら営業所で、バスの終点はその先にあるぬかびらスキー場前です。利用する宿泊先によって降りるバス停が変わりますが、どこで降りても距離にそれほど違いはないと思います。

今回の宿泊先は「東大雪ぬかびらユースホステル」です。いくつかある宿で一番安いと思います。安さ追求ということでドミトリー(男女別相部屋)の素泊まりを選択。夕食、朝食、または両方をオプションでつけることもできます。

シーズンということでほぼ満室、私の部屋も3つのベッドすべて予約済で相部屋となりました。ドミトリーは初めてなのでいろいろと心配でしたが、挨拶していざおしゃべりしてみると、それぞれの旅の様子を話して和気あいあいとした感じになり、みんな旅が好きなんだなということが伝わってきてとても面白かったです。就寝時にやたらいびきがデカい人がいたのは不運ポイントでしたが...


次回はぬかびらエリアの探検をしていきます。次のブログ→こちら