準快の汚部屋

クソみたいな備忘録

流氷と氷山 : 冬のひがし北海道遠征その3

このブログは全5回中3回目です。ですが単体でも読めるように構成しています。

前回はこちら

最初からはこちら

再びしれとこ摩周号

まずは釧網本線で網走に向かいます。この時期は沿線でドカ雪が降ったり強風が吹きつけたりして終日運休になりやすく、旅行の数日前も運休していたので朝から旅程崩壊しないか心配していました。そんな心配とは裏腹にとてもいい天気でスタートです。釧網本線の始発は6時半ですが特に早起きしてまで網走へ行く理由もなかったので次の快速しれとこ摩周号に乗ります。釧路駅でサボの取り付けをして出発です。ダイヤ改正でキハ54からH100に変わったのでこのサボも見納めでした。

茅沼までは昨日と同じ光景でしたが、途中で急停車。とくに説明もなくすぐ発車します。おそらくエゾシカが線路上にいたと思われますが、衝突しない限りいちいち放送しないようです。それくらい乱入が多い路線です。

回転はできないタイプでした(リクライニングはできます)

そんな大自然を駆け抜けると標茶に到着。風景が急に住宅街に変わります。川上郡標茶町は富山・長野県出身の満州開拓団が戦後引き揚げる際に多数移住したとされています。人口は6900人ほど。

茅沼駅と同様に利用者が僅少な美留和

摩周や川湯温泉を通って斜里郡清里町の緑駅に到着。この駅名は住所に由来していますが、この地を緑と命名した理由は単純に「緑に囲まれているから」だそうです。あまりに安直ですが誰も止めなかったんですかねぇ...。

この時期の風景はまっしろ

まだあった流氷

そして知床斜里駅に到着すると内陸の車窓はここで終わり、いよいよオホーツク海が見えてきます。臨時列車の流氷物語号はちょうど一週間前に終了していたので、見ごろは過ぎたかなと思っていましたが、まだまだたくさんありました。天気に恵まれてとてもいい景色でした。

(動画切り抜きのため画質悪めです)

雪が眩しすぎる

なんかいろいろあった(小並感)

ほぼ時間通り網走に到着。釧網本線はこれで完乗です。ここから特急大雪3号に乗り換えできますが、一旦スルーして先発する普通列車遠軽行きに乗ります。キハ40が先頭で、後ろにキハ150でした。後ろの車両は北見切り離しだそうです。

先発の普通列車乗ります

網走ではこの光景はもう見れないみたいです

クマ

先ほどの釧網本線乗車中から薄々感じていたんですが、ずっと白い景色を眺めていて、だんだん目が痛くなってきました。特に旅行中はほとんどカラリと晴れていたので余計に目を刺激してしまいます。あとで気づいたことですが、特急列車はいわゆるUVカットガラスを使用しているので、先日の特急おおぞら4時間乗車では特に違和感を感じていませんでした。しかし、このへんの普通列車はただのガラスなため、もろに影響を受けて気分を悪化させてしまったのです(多分)。せっかく網走からもいい景色が見れるというのに...これ以上無理に見ようとすると列車の揺れも相まってリバースしてしまいそうだったので、キハ150のボックス席で横になりました。2両目はだれも乗ってこないので特に問題ないでしょう。

このシートすき

発車直前に特急大雪号が到着

特急 大雪で上川町へ

撮り方ミスって伊丹駅になってますがちゃんと北見駅です
カーリングで有名です

さて、北見からは先ほど網走で見かけた特急大雪に乗ります。特急おおぞら号として活躍していたキハ283系です。石北線への転用にあたって3両に短縮されてしまい、グリーン車もありません。

北見を出発して景色を眺めてみますが、やはり眩しくありません。快適です。特急なのでちゃんとカットされているようです(単純に曇り空になってきたというのもありそうですが)。

途中遠軽では進行方向が変わります。駅到着前に放送でその旨案内がありましたが、到着しても周りは回転する様子はなく...と思っていたら徐々にみんな動き始めました。回転させるとテーブルや網の荷物や切符が逆になるので取り間違いも起こりました。危ない危ない。

遠軽の次は丸瀬布に停まり、その次が、白滝シリーズでおなじみだった白滝駅です。この駅の前後に「白滝」の名を冠する駅名が複数ありましたが、今となっては当駅だけになってしまいました。

白滝駅の隣の駅は今回の目的地である上川駅です。両駅は駅間距離がとても長いことで知られています。距離にして37.7km、特急では約40分、普通列車では約50分かかります。

きれい

上川駅に到着すると、当駅で列車の行き違いと特急待避が行われます。1番線に特急大雪、2番線に遠軽から来たキハ40の旭川行き普通列車、3番線に旭川から来た特別快速きたみ号が並びます。そして私は2番線の普通列車に乗り換えます。なんと3両編成で、先頭は道東の恵み号でした。緑色のデザインがいいですね、目に優しいです(適当)。

跨線橋から見るとこんな感じ

あと1週間で役目を終える駅

撮り納めしてる人が多数

ギリギリ1両収まる

上川から2駅、愛山駅に到着です。この駅は前回のブログで紹介した滝ノ上駅と同じく、2024年3月のダイヤ改正を以て廃駅になりました。愛山駅は一部の普通列車まで通過してしまうため列車での訪問がちょっと大変ですが、偶然にも行程に組み込めたので降りてみることにしました。ホームは1両がギリギリ収まる程度で、後ろの車両は完全にはみ出ています。北海道ではありふれた光景です。ホーム上には駅名標と時刻表くらいしかない簡素な作りです。

旭川方向に踏切と階段があり、その先に待合室があります。さっき乗っていた列車から駅の様子を撮る人が何人もいましたが、実際に降りたのは私含め3名。見た感じ地元の人ではなさそうです。周りを見渡しても建物がわずかにある程度で、非常に閑散としています。駅前は線路と並行する国道39号線が通っていて、南の方に旭川紋別自動車道の愛山上川ICがあることもあり車通り自体はあります。

駅舎は物置小屋みたいなサイズで、まぁ最低限って感じですね。駅ノートがあったので一応書いておきました。1月くらいになってから訪問者が増えたようで書ききれなくなり、ノートが追加されていました。

待合室からホームを見る

ちなみに愛山という地名の由来ですが、この地に愛知と山形出身の開拓者が移り住んだことにちなんでつけられた合成地名だと言われています。駅からほど近いところに愛山小学校がありますが、調べたところすでに閉校しているようです。駅前のバス停は愛山小学校前となっており、閉校後も名前だけ残っている形です。

駅前のバス停

なんとなく周辺をブラブラしていると、突然踏切が鳴ります。時刻表上では特急も来ない時間なのになんだろうとカメラを構えてみると、やってきたのはDE10のラッセル車でした。残念ながら回送中ということで除雪のための板がしまった状態でしたが、動いているところが見られただけでもヨシとしよう。

もう一つの「氷」を目指す

下車した3名のうち一人は駅前にある愛山小学校前バス停から旭川駅行きの道北バスに乗って行きましたが、私は逆方向のバスに乗ります。ここを通る路線バスは旭川駅からほぼ石北本線と並行するように走り、上川駅前を通って大雪山国立公園の中にある層雲峡へ向かう比較的長距離な路線です。今回はこの路線の終点・層雲峡まで乗ります。

層雲峡には温泉、ロープウェー、二つの滝があります。ここに観光しにきた客のほとんどは周辺の温泉宿で泊まると思いますが、どれもいい値段で私にはそんな余裕がありません。したがって最終バスで旭川方面に戻ります。それまでの時間層雲峡でなにをするのかというと...

神社...なのか...?

こちら、氷瀑まつりです。先月さっぽろ雪まつりで似たようなものを見たではないか、と思いそうですが、ちょっと違います。氷でできた建物がいくつもあり、中に入ってくつろいだり写真を撮ったり...まぁめっちゃ寒いですけどね。時刻は17:40ごろ。暗くなってきたのでライトアップが始まり、いい感じに氷が照らされます。そしてちょうど雪、というか吹雪となり、めちゃくちゃ幻想的でした。さっぽろとはまた違った格別な体験となりました。そういえば、暖冬の影響なのか氷が融けてしまい一部が立ち入り禁止となっていました。こんなところにも影響か...

途中から吹雪でより幻想的に

バッチェ冷えてますよ

飲みかけボトルを置いただけですぐ冷えました

さて、こんな山の中ですがコンビニが2軒あります。セブンイレブンセイコーマートです。どちらも景観配慮ということで茶色いデザインです。セブンのほうは上川町出身の女子スキージャンプでおなじみT選手の父がオーナーだったそうですが、現在は違う人が営んでいるそうです。

結構レアな景観配慮型セイコーマート

残念ながらホットシェフはありません(さすがにね)

この日は夜8時くらいから花火が打ち上げられるとのことでしたが、そこまで待っているとバスに乗れないので諦めて帰ります。バス停までの道中で手袋を落としてしまい、探すのに苦労しましたがなんとか雪に埋もれそうなところを見つけました。しかしこのあと更にとんでもないものを落とすとはつゆ知らず...(後述)

運転手と二人きり

帰りの終バス(リアが凍っている)

最終バスは旭川駅まで行かず、上川駅前止まりとなります。どのみち上川駅からJRを使うのであまり関係ないですけどね。層雲峡に来るときは途中まで地元の方が乗っており、最終的には約3名の観光客が終点まで乗っていましたが、この最終バスに乗るのは私たったひとりのようです。もう19時前なので今から帰るくらいなら普通はここで宿泊するんでしょうね...

町の中心地に出るまでも途中いくつかバス停はありますが、どこも周りになにもない停留所ばかりで乗り降りする人いるのかなという感じです。こんな雪道でもバスを追い越す乗用車がいくつもありました。勇気あるなぁと免許取り立ての私は思いますが、道内じゃ当たり前なんでしょうね。結局だれも乗り降りすることなく駅前に到着。ここで注意点。このバス停は正確には「上川森のテラスバスタッチ(上川駅前)」です。一部の時刻表検索で上川駅前と入力してもヒットしないのでおかしいなと思っていましたが、この名前で登録されているようです。観光客にはわかりにくいので普通に「上川駅前」でいいと思いますけどね...

長いし分かりにくい

特急オホーツクで旭川

すっかり暗くなってしまった

上川から今回の宿がある旭川市内へ向かうため直近の特急オホーツク号に乗ります。といってもまだ時間があるので駅前のラーメン屋で一杯。地元の方が宴会(貸切?)していたようですが別の部屋で食べることができました。

駅前にあります

うまかったです

当駅で指定席券を取ろうと思っていましたが、なんと指定席券売機が設置されておらず、みどりの窓口はすでに閉まっているのでなにも買うことができません。ひがし北海道フリーパスは指定を取らなくても自由席には乗れるので問題ないですが、せっかくだからオホーツクと書かれた指定席券が欲しかったなと。

上川駅構内、どうやら100周年らしい

時刻は21時。すっかり暗くなっているのでもうなにも見えません。この区間普通列車の本数も多いのでまた乗ろうと思います。

クマ

これに乗ります

史上最悪のやらかし

旭川駅に到着。西改札口から出ると、駅スタンプがありましたがこのスタンプはハズレです。劣化が酷くて文字が読めません。同じ柄のスタンプが東改札口付近にあり、状態が良いのでこちらを推奨します。西改札口横にイオン旭川駅前店があるので軽く買い物してからバスに乗って快活CLUBを目指します。

バスに乗っている最中にあることに気づきます。ポケットに入れてあるはずのひがし北海道フリーパスがありません。落としたかなと椅子の周りを見てもありません。降りるバス停が近いのでとりあえず車内に落としていないことだけよく確認して降ります。快活でいったん受付して入室し、カバンをひっくり返してみますがやっぱりありません。完全に終わった....と思いました。

このとき自分の行動を振り返ります。旭川駅には自動改札機があるので、それにきっぷを通したのは間違いない、ということは目の前にあったスタンプ台で押しているときに落としたかも...と考えて旭川駅落とし物センターに電話してみます。駅員さんに説明して探してもらうも見つからないとのこと。スタンプ台ではないとしたら...旭川駅近くのバス停で待つ際にベンチに座っていました。そのときにするりとポケットから落ちたのかも...と考えて急いでそこに戻ってみることに。

バスはもう走っていない時間なので仕方ないですが、ちょうど通りがかったタクシーで旭川駅に向かいます。徒歩だと30分はかかるのでさすがにのんびりしていられません。痛い出費ですがこのきっぷがないと残り2日の日程が潰れてしまうので。結局、このバス停にも落ちておらず、誰かに拾われて交番に届けたか、あるいは悪用されたか...嫌な予感しかしませんが、とりあえずこのバス停から西改札口までの来た道をなぞるように戻ってみます。イオン店内に落としたかもな..と考えましたが、すでに閉店していて電話も出ないでしょう。

だんだん駅の入り口に近づき、もうダメか...と思ったら、視線の先に見覚えのある白い紙が。

あああああああああったあぁぁぁぁぁ!!!!

JR水戸支社ムコナくんのイラストが描かれたチケットケースがイオン入り口に落ちていました。中身を確認するとフリーパス含めすべてそろっています。全身から力が抜ける感じがしました。駅が目の前なのでそのまま改札に行き、さっき落とし物で電話したものですと告げると、電話で応対した駅員がおり、見つけたことを報告すると「良かったですね~!」と向こうも安堵した様子。東改札口の駅員も探しに周っていたようで、本当にご迷惑をおかけしました。そしてありがとうございました。

それ以降、きっぷは面倒でも都度カバンにしまうようにしました。なぜイオンの入り口で落としたのかは今でも分かりませんが、何かの拍子で飛び出てしまったのでしょうか。

何はともあれ、無事旅を続行することができてよかったです。次の日の行程が今回の旅の中でメインディッシュと言える最も大事なところへ行く予定だったので危うく中断となるところでした。今回のブログ分でちょうど行程が折り返しです。次回はそのメインディッシュに向かうおはなしです。